上咽頭炎は鼻うがいで治る?鼻洗浄器具を効果的に使うポイントと5つの注意点

普段の生活のなかで、あまり聞き馴染みのない上咽頭炎。喉からくる風邪とは異なり、鼻からの影響で喉や体にも症状が広がります。

そんな上咽頭炎の予防策・対策として、鼻うがいをすることで、鼻の中をきれいに洗い流し、上咽頭炎の症状の緩和と予防に繋がります。

今回、この記事では、鼻の炎症である上咽頭炎に効果的な鼻うがいのやり方と、鼻洗浄器具を使うポイント、洗浄する際の5つの注意点をご紹介します。

正しいやり方やコツを知ることで、痛みや刺激の少ない安全な鼻うがいを行うことができますので、ぜひ参考にしてみてください。

上咽頭炎に効く鼻うがいの効果

鼻うがいをすることが、鼻の炎症である上咽頭炎のような症状に効果があることを、ご存知ない方も多くいらっしゃいます。また、鼻うがいは、上咽頭炎以外にも、さまざまな症状の予防の効果が期待できます。

ここでは、鼻うがいのさまざまな効果についてご説明します。

上咽頭炎の症状を緩和する鼻うがい

普通に生活をしていると鼻の中には埃や細菌、ウイルスなどが溜まっていき、それが上咽頭炎の原因となることが多いですが、上咽頭は鼻の奥と喉の間にある部位のため、治療をすることが難しい部分です。

しかし、鼻うがいをすることで鼻の奥まで洗浄液が届き、上咽頭に付着した細菌やウイルスをきれいに洗い流せるため、治療としての効果があります。

鼻うがいは用途によって洗浄方法を使いわけることができ、コップや洗面器を使った鼻うがいを行う方もいますが、初めて鼻うがいをする方や、オフィスや旅行など出先でも鼻の洗浄を行いたい方は、手軽に持ち運びができる市販の鼻洗浄器具と洗浄液のもとを購入し、使用すると良いでしょう。

上咽頭炎以外の症状にも効果がある鼻うがい

鼻うがいは、上咽頭炎のような鼻の炎症以外にも、以下のような、さまざまな症状に効果があります。

  • 上咽頭炎や後鼻漏などの予防や緩和
  • 風邪やインフルエンザなどのウイルス対策
  • 自律神経の乱れを整える
  • さまざまな症状によるストレスの軽減
  • 花粉症や埃などのアレルギー対策
  • 不眠症などの改善
  • 鼻づまりによる不快感の解消

鼻うがいは、細菌やウイルスなどが原因によって起こる症状に特に効果的で、寒い季節や乾燥している時に、鼻うがいをすることで感染力を下げることができます。上咽頭炎は風邪に似ている症状が多く、鼻や喉の不調以外にも自律神経の乱れやストレスも抱えてしまうことがありますが、鼻うがいをすることでさまざまな症状の解消ができます。

現在では、新型コロナウイルスが世界的にも流行っているため、鼻うがいのような自分でできるセルフケアを行うだけでも、感染から身を守りやすくなります。

鼻洗浄器を使った痛みのない鼻うがいのポイント

鼻うがいが初めての方は、必要な洗浄器具やタイプがあることをご存知ないと思います。鼻うがいをする際は、自分の用途に合わせて種類や洗浄器具を揃えることができます。

また、市販の洗浄液のもと以外にも、自分で食塩を使った洗浄液を作ることで、鼻うがいを効率的に行うことができます。

ここからは、鼻洗浄器具の種類と自宅で作れる洗浄液のレシピをご紹介します。

市販の鼻洗浄器具と洗浄液のもとを使う

鼻うがいを行うためには、鼻うがい専用の洗浄器具と洗浄液が必要です。自宅で普段使っているコップや洗面器でも鼻うがいは行えますが、ドラックストアや薬局で市販されている鼻洗浄用品を活用すると、手軽に鼻うがいを始められます。

鼻洗浄器具は、洗浄力やサイズの種類が豊富で、しっかり洗浄したい場合は、洗浄液の用量が多いタンク型のタイプを、外出先で気になったときに洗浄したい場合は携帯タイプなど、目的や大きさなど自分の用途にあった洗浄器具を選ぶことが大切です。

  • ノズルから霧状で噴射されるタイプ
  • 洗浄液を鼻の穴から直接流し込むタイプ
  • 洗浄力を調整できる電動式のもの
  • 洗浄器と洗浄液がセットになっているもの

鼻洗浄器には、鼻の中に洗浄液を流し込む先端のノズルを付け替えられるタイプがあります。

ノズルを付け替えられるものだと、子どもから大人まで鼻のサイズに合わせてノズルを変更することができるので、家族で付け替えて鼻うがいをすることができます。

また、ノズルは汚れやすく破損しやすいため、買い替えて使えるタイプかどうかも洗浄器を選ぶときにチェックするポイントです。

食塩を使った洗浄液を作って洗浄する

洗浄器具があっても、洗浄液がないと鼻うがいをすることができないので、鼻うがい専用の洗浄液が必須です。

市販の鼻洗浄用品は、洗浄器と洗浄液のもとが一緒になって販売されているものや、粉末タイプで販売されているもの、洗浄液のもとのみ販売されているものなど、いくつか種類があります。

市販されている洗浄液で、鼻うがいをすることをおすすめしますが、市販の洗浄液のもとがなくなってしまったり、すぐに必要なときには、食塩を使った「生理食塩水」をご自宅で作り洗浄液として使うことができます。

  1. 水を一度沸騰させて、36〜38℃程度のぬるま湯まで冷ます
  2. 300ccに対して、2.7g(0.9%)の食塩水を入れて溶かす

鼻うがいをするときに、使用する生理食塩水の量は200〜300ccが適量です。温度が熱いとヤケドや粘膜を痛める原因になるため、人肌くらいの温度で生理食塩水を使用して鼻うがいをします。

この生理食塩水は、衛生面を考慮し、使いまわしたり、作り置きはしないように、鼻うがいをするタイミングで作成するようにしましょう。

鼻うがいをするときの5つの注意点

鼻うがいは、間違ったやり方をしてしまうことで、上咽頭炎以外にも別の痛みや症状を引き起こしてしまうこともあります。

ここでは、鼻うがいのやり方の5つの注意点をご紹介します。気持ちの良い爽快感のある鼻の洗浄を行うためにも、ぜひ参考にしてください。

真水や水道水を使って鼻うがいをしない

真水を使い鼻うがいをしてしまうと、ツーンとした痛みや、強い刺激を感じます。痛みとなる理由は、水と体液の塩分の濃度が異なり、浸透圧の違いが原因で痛みを伴います。

鼻うがいは、市販の洗浄液のもとや生理食塩水を使うことで、痛みや刺激を感じず、鼻の中を洗い流すことができます。

また、水道水は雑菌の繁殖リスクがあり、冷たい水道水では食塩が溶けきれないため、一度沸騰させてから鼻の洗浄液として使うようにしましょう。

中耳炎になるやり方を避ける

鼻の中を洗浄液が通る際に間違ったやり方をしてしまうと、洗浄液が耳に入り込み中耳炎になってしまう可能性があります。しかし、正しいやり方さえ知っていれば、中耳炎になることはありませんので、ご安心ください。

鼻うがい中は、以下のようなことに注意しましょう。

  • 洗浄液を流している最中に上を向かない
  • 鼻うがい中に唾を飲み込まない

鼻の中を洗浄中は、斜め下を向きながら「あー」と声を出すことで、洗浄液が耳に入り込まず、唾を飲み込まずにスムーズな鼻うがいが行えます。

鼻うがいが終わった後に強く鼻をかまない

鼻うがいの最中の注意点をご紹介しましたが、鼻うがいが終わった後でも、気をつけるべき行動があります。

鼻うがい後は、鼻の中に洗浄液が残っていることもあり、強く鼻をかんで無理に洗浄液を出そうとすると、耳に洗浄液が流れ込み、中耳炎になる恐れがあります。鼻をかむことは、とても注意するべき行動です。

優しく鼻をかむように気をつけるか、ティッシュなど柔らかい素材のものを使って、鼻の中に残った洗浄液を気をつけて取り除きましょう。

鼻の洗浄は1日に2回程度がおすすめ

1日に鼻うがいを何回もしてしまうと、鼻の粘膜が傷ついてしまいます。そのため、上咽頭などの部位を傷つけないためにも、鼻うがいは1日に2回程度が適正な回数です。

上咽頭炎のように、鼻の奥が炎症を起こしているような症状の場合は、鼻うがいの回数を増やしてしまうことで、さらに悪化させてしまう可能性が高くなるため、適度な回数を守ることは大切です。

鼻うがいを行うタイミングは、就寝前と起床後の2回がおすすめです。1日かけて鼻の中や奥に溜まった汚れと細菌やウイルスを洗い流すことで、睡眠の質も上がり深く眠ることができます。

起床後には、寝ているときに作られた鼻や喉に溜まった鼻水を洗い流すことができますので、気持ちよく朝を迎えられます。

朝と夜のタイミングだけではなく、用途に合わせて鼻うがいを行い、過剰な洗浄さえ避ければ粘膜を傷つけることはないでしょう。

鼻に痛みがあるときは行わない

上咽頭炎やその他の症状の影響によって、鼻に強い痛みや重度な鼻づまりが起きている場合は、鼻うがいを一時的に行わないようにしましょう。

鼻の粘膜はとても繊細なので、無理に洗浄すると逆効果です。また、鼻の中に傷があった場合も、鼻うがいによって傷口が開き、鼻血がでてしまう可能性があるため、鼻血が出た日や、炎症がひどい日は鼻うがいはお休みして、様子をみながら再開していきましょう。

まとめ

上咽頭炎はもちろんのこと、上咽頭炎以外のさまざまな症状にも、鼻うがいは効果があることを知っていただけましたでしょうか。

鼻うがいは、専用の鼻洗浄器具や洗浄液を使うことで、痛みや刺激を感じることがなく、治療を進めることができます。また、さまざまタイプの鼻洗浄器具があるため、用途に合わせ、自分に合った鼻洗浄器具を揃えることができます。

現代社会で流行している新型コロナウイルスや、毎年寒い時期に流行るインフルエンザなどにも、鼻うがいは予防策として取り入れやすいセルフケアです。ぜひ、毎日の暮らしのなかに鼻うがいを取り入れ、快適な生活を送りましょう。

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