効果的なインフルエンザ予防をするための換気と3つのセルフケア

12月から3月の寒い時期になると流行のピークを迎えるインフルエンザ。寒い季節に、毎年体調を崩される方も多いのではないでしょうか。

インフルエンザの予防は、室内の換気や手洗いうがいを日々繰り返すことで未然に防ぐことができ、食生活の改善や鼻うがいなど、予防策の数と質を向上させることで感染リスクを軽減できます。

この記事では、インフルエンザが好む環境や工夫した換気の仕方をご説明をした後に、生活に取り入れやすい予防方法も一緒にご紹介します。

インフルエンザについて

インフルエンザと風邪の初期症状は似ており、すぐに区別ができません。そのため、軽い風邪だと判断し予防をせずに過ごしてしまい、本当はインフルエンザに感染していたなんてことも多くあります。

まずはインフルエンザの症状と、ウイルスが好む快適な環境と対策についてご説明します。

インフルエンザは命に関わる病気

インフルエンザは風邪と初期症状は似ていますが、悪化していくと重い症状が多くみられます。典型的なインフルエンザはウイルスに感染してから1日〜3日間の短い潜伏期間を経てから、以下のようなさまざまな症状が発症します。

  • 38〜40℃の高熱
  • 悪寒
  • だるさ
  • のどの痛みや頭痛
  • 関節痛や筋肉痛

インフルエンザに感染すると高熱や全身の倦怠感などの症状から始まり、人によっては吐き気やめまいといった症状も同時に発症します。市販されている解熱剤や風邪薬を使用すると合併症や重症化のリスクが高くなるので、自己判断で市販薬を使用することはおすすめできません。

インフルエンザは非常に感染力が高く、接触感染以外にも空気感染をしてしまうことが風邪との違いです。インフルエンザ感染者が同じ室内でくしゃみや咳をすると、ウイルスを含んだ目には見えないほどの粒子が空気中に飛散し、息を吸って粒子が体内に入ってしまうことで次々に感染が広がってしまいます。

高齢者や免疫力の低い子どもが感染した場合は、生命の危険にも及ぶことがある病気としての認識が必要です。インフルエンザの疑いがあった場合は、すぐに病院での診察を受けるようにしましょう。

ウイルスが好む環境は低温度と低湿度

誰もが気をつけたいインフルエンザですが、ウイルスは低温度と低湿度を好み、この二つの条件が合わさることで増殖力や感染力が高くなってしまいます。

ウイルスはもともと水分を含んだ物質で、空気中の水分が少なければ少ないほどふわふわと軽やかに浮いてしまい、人の顔と近い高さを漂います。そんなウイルスを弱めるためには嫌いな環境をつくる必要がありますが、単純に室温を高くして加湿をすればいいわけではありません。

ウイルスの力を弱くするためには温度と湿度の両方をセットにして考える必要があり、以下のような温度と湿度調節をすることで感染率が下がります。

  • 室温20℃:湿度55~60%
  • 室温22℃:湿度50~55%

室温を20〜22℃、空気中の湿度を50〜60%にすることで、ウイルスは長時間にわたった生存ができなくなります。湿度が高いことで軽やかに浮くことができず、床に落ちて感染力を失い、換気も定期的に行うことで感染するリスクをさらに軽減します。

湿度が60%以上と高くなるとカビやダニが大繁殖してしまいアレルギーの原因になりますので、湿度を高くしすぎるのも要注意です。

温度と湿度のバランスを保つために温度・湿度計を使い、こまめにチェックと調節をしながら、ウイルスが嫌う環境を維持していきましょう。

工夫した換気と掃除

オフィスや学校の教室などは寒い時期にエアコンやヒーターで室内を暖めるため乾燥しており、ホコリも舞いやすく換気がほとんどされていない状態です。

そのような環境はウイルスにとって好みの場所となってしまうため、定期的に室内の換気を行う必要がありますが、窓を開けるだけではしっかりとした換気ができません。

室内の換気の効果を高める電化製品を使った換気の仕方と、感染を防ぐ掃除についてご紹介します。

電化製品を上手に使う

換気をする上で最も大切なことは、空気の通り道をつくることです。

建物の構造上、換気が難しいお部屋もあるかと思いますが、そんな時はサーキュレーターや扇風機などの風の流れをつくる電化製品を活用すると良いでしょう。

使い方はとても簡単で、外気を取り込むために室内の窓を数カ所開けて、サーキュレーターや扇風機を窓の外に向けて使うだけでOKです。外気を取り込むための入り口と、室内の空気を外に流す出口があることで、室内の空気を循環し綺麗にすることができます。

ヒーターなど移動させることができる暖房機器は、サーキュレーターや扇風機から遠い場所に置くことで、循環している空気の流れに乗ってヒーターの熱風が部屋の中を暖かくしてくれるため、二つを組みあわせることもおすすめです。

室内を清潔に保つ

こまめな掃除を定期的に行い、室内を清潔にしておくことでインフルエンザの予防ができます。

ウイルスは埃を好み混じりやすいため、ウイルス対策をする時は換気をする以外にも部屋の中に埃をためないことも大切です。ウエットシートなどホコリを拭き取る掃除道具で、部屋の角や棚など、埃のたまりやすい所を定期的に拭き掃除をしていきましょう。

同様に、くしゃみや咳をした後のケアも大切です。

くしゃみや咳をした時に手で口を押さえることでウイルスの拡散を防ぎますが、押さえた手を衣服やドアノブなど触ったり、電化製品を触ることで接触感染につながってしまい、結果、インフルエンザに感染することも多くあります。

市販の消毒薬や除菌用スプレーを家族の共有物や衣服についたウイルスに使うだけでも、感染するリスクをより軽減できますので、こまめに掃除をすることも予防の一つといえます。

生活に取り入れやすい3つの対策

インフルエンザの感染を防ぐために、室内の換気や掃除など、環境を整える以外にも自分で感染ケアの対策をすることがとても重要です。

ここからは、すぐに生活に取り入れることができるセルフケアを3つご紹介します。

鼻うがいで鼻の中を洗浄する

鼻の中を洗浄する鼻うがいは主に花粉症やアレルギー対策で取り入れることが多いですが、インフルエンザなどのウイルス予防にも効果があります。

鼻うがいをすることで感染予防以外にも、以下のようなさまざまな効果が見込めます。

  • ウイルスや花粉を洗い流す
  • 後鼻漏や副鼻腔炎などの症状を予防と緩和
  • 睡眠中の鼻づまりを解消する

鼻の奥には上咽頭といわれる部分があり、この上咽頭にウイルスは付着します。インフルエンザウィルスは、付着発症までに1〜2日掛かります。付着する前に外に洗い流すことで、予防効果があります。ウイルスが付着した上咽頭の洗浄は喉うがいでは洗い流すことができませんが、鼻うがいをすることでウイルス、花粉、埃を一緒に洗い流します。

最近では、新型コロナウイルスの予防にも推奨されているセルフケアです。鼻うがい用のグッズは市販でもいくつかの種類がありますので、ご自身に合う洗浄器具と洗浄液のもとを見つけて生活に取り入れてみてください。

病気にかかりにくい体づくり

インフルエンザに限らず、風邪などのウイルスに抵抗できる免疫力をつけることも大切です。

体の中にウイルスが入ると体の細胞がウイルスをやっつけようと抵抗するのですが、十分な栄養を摂れていない食生活をしていると体の細胞の抵抗力が弱くなり感染しやすい体になってしまいます。

病気にかかりにくい体をつくるには、以下のような抗酸化力のある食べ物を食べることがおすすめです。

  • ビタミンを取れる果物や野菜
  • 良質なタンパク質
  • 体に良い油
  • 食物繊維

上記の栄養を摂ることでウイルスと戦う細胞が活性化され、抵抗力がつき、感染症などを予防する体をつくることができます。インフルエンザに感染しないためにも、栄養バランスを考えた食事をしていきましょう。

睡眠中の喉の渇きにも気をつける

ウイルスの感染は目が覚めている時だけでなく、寝ている時でも感染してしまう可能性があります。

寝ている時に乾燥した空気中を漂っているウイルスが口から入り、乾いた喉や気管に付着し感染してしまうケースがあるため、睡眠中でも部屋の換気と湿度を保つ必要があります。乾燥した喉や気管は抵抗力が弱く感染しやすい場所となりますので、乾きにくい十分な湿度が必要です。

以下のような対策をとることで、睡眠中でも感染のリスクが軽減できます。

  • 電化製品を使って常に空気を循環させる
  • 加湿器や濡れたタオルを布団やベッドの近くに置いておく
  • 口呼吸から鼻呼吸ができるよう呼吸の改善をする· (口テープ、鼻うがい、あいうべ体操)

ウイルスは目が覚めている時に感染するものと思われですが、睡眠中も感染の可能性は十分にありますので、換気と湿度を保てた心地の良い部屋づくりも心がけましょう。

まとめ

インフルエンザ予防について、換気や3つ対策をご紹介しました。

室内の換気を工夫するだけでも感染のリスクは下げることができ、こまめな掃除をすることで予防と清潔感のある快適な日々を過ごすことができます。

鼻うがいや栄養バランスを意識するだけでも、予防だけでなく健康にも効果があるので、ぜひ取り入れてもらい楽しい時間を過ごしてくださいね。

関連記事一覧